[`livedoor` not found]

twitter https://twitter.com/shihouexam

タイムリーな司法試験情報などを発信しています。

 

皆さん、こんにちは!

意外に難しいのが、やはり「選択科目」の選択です。

確かに、勉強量の多寡や合格のしやすさから選ぶことも大切です。

しかし、合格後、あるいは他の士業、業種に転校する際にも意外と選択科目は尾をひきます。

環境法を選択した弁護士は、やはり環境法系の業務を引き受けることが多いですし、労働法、

倒産法も同様の傾向にあるように思います。

ですので、司法試験後を見据えた「複合的な視点」から選択科目を考えてみましょう。

「勉強量の多寡」(少ない時間の方が良い)、「講座・教材の充実度」(多い方が良い)、「合格後の有用度」」(多い方が良い)を5段階で評価し、皆さんの参考になれば幸いです。あくまで私が調べた上での主観ですのでご容赦ください。
「労働法」 平成28年度選択者(占有率)1位 1,932人(28.2%)

勉強量の多寡     ☆☆   (多い)
講座・教材の充実度  ☆☆☆☆☆(非常に充実)
合格後の有用度    ☆☆☆☆ (とても有用)
労働法選択者は例年3割前後であり、平成28年度まで一貫して選択率トップを守り続けています。その範囲としては、労働基準法,労働契約法,労働組合法です。労働法は判例法理が重要であり、暗記量が多いため勉強量の多さは,選択科目の中では多いと思います。
労働法は,受験者数の多さもあり,各種教材、各予備校の講座も充実しているので受験生としては安心して選択しやすい科目ではないでしょうか。
そして,合格後の有用度は,選択科目の中でも上位です。実務的に弁護士の仕事をしていて,労働事件を扱ったことがないという方は少ないでしょう。また、社労士試験とも隣接し、社労士の学習、登録をする際にも役立ちます

「倒産法」 平成28年度選択者(占有率)2位 1,190人(17.4%)

勉強量の多寡     ☆☆    (多い)
講座・教材の充実度  ☆☆☆☆☆ (非常に充実)
合格後の有用度    ☆☆☆   (有用)

倒産法選択者は毎年2割前後であり労働法に続き,2番手を守り続けています。その範囲としては、破産法と民事再生法です。いずれも二百箇条を超える長い法律である上に,破産規則・民事再生規則という関連する最高裁判所規則まであります。ですので、勉強量は非常に多くなります。
倒産法は,受験者数の多さもあり,各種教材、各予備校の講座も充実しているので受験生としては安心して選択しやすい科目ではないでしょうか。司法試験向けの教材は充実しています。合格後も,個人の破産事件などを扱う機会があるでしょうし,企業法務でも企業の倒産処理・再建は重要な分野です。多いのが取引先が倒産した場合の対応などについて意見を求められる場合でしょう。企業顧問をする際に大きなアドバンテージになる科目です。

 

「知的財産法」 平成28年度選択者(占有率)3位 988人(14.4%)

勉強量の多寡     ☆☆☆(通常)
講座・教材の充実度  ☆☆☆(通常)
合格後の有用度    ☆☆☆(少々有用)
知的財産法選択者は例年1割を超えており,労働法、倒産法に続き、3番手を守り続けています。もっとも、近年選択者は減少傾向にあります。
その範囲としては、主に特許法と著作権法であり,例年両法から1問ずつ出題されています。学習量は,労働法、倒産法と比較して通常です。
知的財産法は,司法試験向けの教材が充実しており,教材が少ないということはないと思います。ただし,法改正が頻繁になされる分野であり,最新の法改正を追いかける必要があります。そのため,常に最新の教材が必要という問題点があります。
合格後の有用度ですが,弁護士業務における知的財産法の有用性については,それほど高いものではありません。なぜなら、専門性の高い知的財産事件は,理系の専門知識がないと歯がたたないからです。また、理系の専門家としては弁理士がおり,特許の登録等の知的財産業務は弁理士が独占しているため,弁護士が通常関わることがありません。そして、知的財産法は法改正が頻繁にある分野なので,司法試験段階で知的財産法を勉強していたとしても,いつも最新の法改正を追いかけてブラッシュアップを続けていく必要あります。もっとも、弁理士登録、弁理士の学習をしていくのなら有用だと思います。

 

「経済法」 平成28年度選択者(占有率)4位 865人(12.6%)

勉強量の多寡     ☆☆☆☆(少ない)
講座・教材の充実度  ☆☆  (少ない)
合格後の有用度    ☆☆  (少々有用)
選択科目の中では大体4番手を守っています。最近経済法の人気が上昇していますが,その理由は学習量の少なさにあります。出題されるのは実質的に独禁法のみであり,しかも独禁法のうち公正取引委員会の組織や審判等の手続は行政法の領域に属します。ですので,司法試験経済法は独禁法のうち,私的独占・不当な取引制限・不公正な取引方法といった実体規制部分から出題されるだけであり,条文はせいぜい二十数箇条程度です。
勉強量が少ないので,予備試験に合格した方にお勧めできる科目です。また独禁法の行為要件・効果要件といった解釈論は,比較的刑法と親和性が高いと言われているので,刑法が得意という受験生にもお勧できます。特に、検事志望の方に人気があるようです。講座・教材の充実度としては、とても少ない印象にあります。それは独禁法が出題範囲に入る他の士業が見当たらないことに起因するかもしれません。
合格後では顧問先企業が公取委に狙われた場合くらいしか使いどころがありません。中小企業ではなかなか独禁法にお世話にならないでしょう。

 

「国際関係法(私法系)」 平成28年度選択者(占有率)5位 859人(12.5%)

勉強量の多寡     ☆☆☆ (通常)
講座・教材の充実度  ☆☆  (少ない)
合格後の有用度    ☆☆  (少々有用)
選択科目の中では大体5番手を守っています。一般に「国際私法」と呼ばれる分野で,国際的な紛争が生じた場合にどの国の法律が準拠法になるか,といったことを学びます。その範囲としては、「法の適用に関する通則法」が中心であり,通則法の条文数自体はかなり少ないです。もっとも、大手の渉外事務所を目指す選択者が多いことから実際の難易度は高いように思います。講座・教材の充実度としては少ない印象にあります
合格後の有用度としては、渉外案件を数多く手掛ける事務所であれば比較的よく使うでしょう。もっとも、通常の弁護士事務所では,外国人が絡む子の引渡し、離婚事件などで問題になるくらいです。

 

「租税法」 平成28年度選択者(占有率)6位 455人( 6.6%)

勉強量の多寡     ☆☆☆☆ (少ない)
講座・教材の充実度  ☆☆   (少ない)
合格後の有用度    ☆☆☆☆ (高い)
司法試験租税法は,出題範囲が所得税法と,それに関連する法人税法や国税通則法に限定されています。また,会計の知識が必要となる分野は出題範囲外とされており,毎年改正される部分も出題内容とは関係しません。実際に、試験範囲が狭く、非常に学びやすい科目です。教材の充実度としては、司法試験だけではなく,税理士試験・公認会計士試験にも租税法がありますので通常といえます。実際、公認会計士試験受験生も司法試験租税法の教材を演習がわりに解いています。もっとも、司法試専用講座は論証の読み込み、合格答案の検討以外ほとんどないのが現状です。
選択科目で租税法を選択したからと言って,大きなプラスにはならないという考えもあります。しかし、公認会計士、税理士を考える場合は勿論、経済の事象はすべて税が関わる以上、その汎用性は広範です。自らが法曹として活躍する場合は勿論、他の士業、業種に転向する上でもその有用度は疑いようがありません。
「環境法」 平成28年度選択者(占有率)7位  448人( 6.5%)

勉強量の多寡     ☆☆☆ (通常)
講座・教材の充実度  ☆☆  (少ない)
合格後の有用度    ☆   (低い)
環境法の試験問題は,環境法政策と呼ばれる分野と環境訴訟の分野から出題されています。環境法政策からの出題は他の科目と異なり教材に書かれていることを暗記すれば高得点が取れる問題になっています。また,環境訴訟の問題は必修科目である民法(不法行為法)、行政法(原告適格、国家賠償等)の問題そのものであり,これを選択科目として出題することの妥当性は疑問視されています。
環境法の出題範囲とされている法律は,環境基本法,環境影響評価法,大気汚染防止法,水質汚濁防止法,土壌汚染対策法,循環型社会形成推進基本法,廃棄物の処理及び清掃に関する法律,容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律,自然公園法及び地球温暖化対策の推進に関する法律です。出題範囲がは広いのですが,暗記がメインになるため現場思考に自信がない受験生は環境法を選択する余地も考えられます
有用度として、環境法そのものを弁護士実務で使えるかと問われたら,基本的にはお世話にはなりません。環境訴訟自体をビジネスにするのは難しく、日常ではほとんど使いません。

「国際関係法(公法系)」 平成28年度選択者(占有率)8位  109人( 1.6%)

勉強量の多寡     ☆☆ (多い)
講座・教材の充実度  ☆  (少ない)
合格後の有用度    ☆  (低い)
国際関係法(公法系)は,条約や国際判例が学習の中心になります。必修科目との接点が他の選択科目と異なりほとんどなく,そのため勉強量が多いのです。選択者は例年1%台とあまりに少ないため,平成23年からは出題範囲が国際公法に限定されましたが,それでも選択者数は増えていません。
日本で国家間の紛争を取り扱っているのは,ほとんどが外務省の役人であり,国際機関に勤務する人などごく一部の例外を除き,弁護士としての実務で国際法が役に立っているという人はほとんどいないでしょう。
勉強量が多い,予備校の教材・講座もほとんどない,実務的にもまず使わないということでお勧めできません。司法試験委員会では廃止論も取り沙汰されました

「最終おススメランキング」(あくまで主観です)

1.☆11個 「労働法」

3.☆10個 「租税法」

3.☆10個 「倒産法」

4.☆9個 「知的財産法」

5.☆8個 「経済法」

6.☆7個 「国際関係法(私法系)」

7.☆6個 「環境法」

8. ☆4個 「国際関係法(公法系)」

 

租税法の講座については、こちらがお勧めです

 

プロクリ一同

[`livedoor` not found]

Comments

comments